名古屋の西野朗新監督(58)が、華やかに船出した。19日、名古屋市内のホールにサポーター700人、報道陣約100人を集め、クラブ史上初の試みとなる“劇場型”の新体制会見に出席。まるで映画の1シーンのように登場した。華やかな“西野劇場”は映画と同じ約2時間にもなった。

 まずは「相手のゴールにたくさん入る攻撃。感動と興奮をたくさん味わってもらう」と所信表明。さらに名古屋から欧州に旅立ち、ACミランに移籍した本田圭佑を引き合いに出して「一晩にして本田選手にはなれない。着実な積み重ねがあって、ああいう瞬間が来る」と力説した。11年まで10シーズン率いたG大阪時代のように大型補強はなくとも攻撃的スタイルは継続。その上で若手を育てる。

 野心がある。G大阪時代の08年にはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制覇。名古屋でもJリーグでトップ3入り、さらにACLを制覇して、クラブW杯4強が目標になる。

 「大きな夢はかなわないようでかなうことが間違いなくある。また輝きたい」

 西野グランパスは中盤が12人いる一方、守備陣は6人しかいないが、指揮官は元日本代表オシム監督のように「ポリバレントを求める。コンバートも考えます」。種をまき、水を与えることから、大きな夢の実を膨らませる。【益子浩一】