目指すは全試合フル出場だ。仙台の第3次宮崎キャンプ初日となった16日、広島から期限付き移籍中のDF石川大徳(26)が気温の上昇とともにエンジン全開。仙台2年目のシーズンで充実のキャンプを過ごしている右サイドバックが、まずは開幕スタメン奪取を誓う。チームは仙台の降雪状況を見ながら25日前後まで宮崎市内で調整し、3月1日の開幕ホーム新潟戦に備える。

 晴天の宮崎に、石川大の明るい声が響き渡った。天候に恵まれなかった延岡キャンプから一転、太陽の下で汗を流した元気印は「いや~、暖かいですね!」とニッコリ。4対4を基本にした変則ミニゲームでは右足でカーブをかけたシュートを決めてガッツポーズを見せるなど、いまやチームに欠かせないムードメーカーとなっている。

 もちろんピッチ内でも存在感をアピールしている。豊富な運動量を武器に、初実戦となった1日の練習試合では1本目に出場。その後も主力組に入ることが多く、アーノルド監督(50)から「グッドボーイ」と声をかけられる回数も多い。クラーク・フィジカルコーチの厳しい体力強化メニューも合うようで「今年はだいぶ体が動けてます」と好調を実感している。不動の右サイドバックとして君臨してきた菅井から、定位置を奪う可能性は十分だ。

 流通経大で大学NO・1サイドバックと言われた男も、プロ4年間で定位置をつかむまでには至っていない。昨年も出場機会を求めて8月から期限付きで加入したが、リーグ戦出場は8試合の494分間。「結果が出せなかったし、みんなが『残ってくれ』って言うので(笑い)」と冗談も交えたが、覚悟を決めてレンタル期間を延長した。

 髪形もキャンプ入り前に豪快に?

 変えて心機一転。「フル出場は絶対に求めていかなきゃいけない。少しでも力になれるように走れるだけ走りますよ」。「ノリ」のニックネームどおり今キャンプで最も勢いに乗る男が、開幕スタメンを勝ち取って14年シーズンを駆け抜ける。【鹿野雄太】