<J2:湘南1-0山形>◇第1節◇2日◇BMWス

 J2山形は昨季J1の湘南に敗れ、J1時代を含め4季連続の開幕黒星を喫した。前半20分、課題に挙げられていたセットプレーから失点。16年ぶりに指揮を執る石崎信弘監督(55)の初戦を白星で飾ることはできなかったが、高卒ルーキーとしてチーム史上初めて開幕ベンチ入りしたMF汰木(ゆるき)康也(18)がリーグデビューを果たすなど、明るい材料も残した。

 新生・山形が開幕白星を逃した。16年ぶりにチーム復帰した石崎監督に、勝利をプレゼントすることはできなかった。前日1日午後、最終キャンプ地の宮崎から直接敵地入り。長崎・雲仙2次キャンプから続く21日目の敗戦に、石崎監督は「合宿疲れのある中で、よく戦ってくれた」とイレブンをねぎらった。

 前半20分、右サイドからのロングFKを相手FWウェリントンに頭で決められた。GK清水のパンチングも届かなかった。清水は「一番強い選手への対応が甘かった」と反省。だが石崎監督は「相手FKもタイミングもよかった。しょうがない」と振り返った。

 前半終了間際に相手FWが警告2回で退場。数的優位に立ったが、逆に後半10分、MFフランクがやはり警告2回で退場し、反撃の好機を生かせなかった。

 だが、最後まで諦めない姿勢は示した。交代枠3人をフルに使い切る中、後半29分には1トップの万代に代えて汰木を投入。地元・神奈川の旭高を前日1日に卒業したばかりの汰木は、約15分間、ハツラツとした動きを見せた。正面スタンドでは、NEC山形時代のチームOBで、U-21日本代表の手倉森誠監督(46)も観戦。「ものすごく雰囲気のある選手。長く見ていきたい」と注目させた。

 この日のスタンドには、山形から大型バス7台で約1000人のサポーターが駆けつけた。汰木は「サポーターの迫力にびっくりしました。雰囲気は最高。この中で早く点が取れるようにもっと積極的に、しっかりとアピールを続けていきたい」と、次節以降に夢を膨らませた。【佐々木雄高】