J2札幌が、元神戸FW都倉賢(27)を獲得することが5日、分かった。187センチ、80キロの大型ストライカーで、セットプレーでの高さや、左足の強烈なシュートが武器。197センチのFWフェホ移籍を受け、開幕直前に190センチの元韓国代表FWチョンを獲得。ここに昨季、神戸の昇格を経験した長身イケメンFWも加え、一気に高さのある攻撃陣に変える。今日6日に正式発表、明日7日の練習から合流する。

 開幕戦勝利を挙げた札幌に、また1人、強力な新メンバーが加わる。都倉は、昨季限りで神戸との契約が満了。2月下旬まで海外移籍を目指し、デンマークのクラブに練習参加していた。札幌は都倉本人の意思を尊重し、海外移籍が決まらなかった場合という条件付きでの獲得交渉に動いていた。この日までに、クラブ側に、代理人から海外移籍を断念する連絡が入り、札幌への加入が内定した。

 条件面の詰めを行い今日6日、クラブから正式発表される。7日の札幌ドームでの練習からチームに合流し、早ければ16日の湘南戦からの出場を目指す。

 不足していた高さが、一気に増す。197センチの長身フェホが退団も、まずは190センチで韓国代表歴もあるFWチョンを獲得した。都倉も長身を生かしたヘッドが武器で、ポストプレーもこなせる。財前監督は前線でターゲットになれるFWの補強を要望しており、チョンと都倉のダブル加入で戦術のバリエーションが広がる。

 今季の実戦で、セットプレーの得点は2月15日の鳥栖との練習試合でDFパウロンが決めたヘッドでの1点だけだった。そのパウロンは負傷離脱中とあり、2日の磐田戦は空中戦でチャンスを、ほとんどつくれなかった。今季は菊岡という精度の高いキッカーが加入しただけに、ゴール前で体を張れるストライカーの補強は、チームの得点力を飛躍的に上げることになる。さらにキック精度の高いGK金山から前線の都倉、チョンを使った攻撃にもつなげることが可能となる

 野々村社長と同じ慶大出身で、ルックスも抜群。特に札幌戦に強く、草津(現群馬)時代の09年、神戸移籍後の12年の対戦で、ともにホーム、アウェー各1ゴールの2戦2発を奪い「キラー」ぶりを発揮してきた。これまで苦しめられてきた長身FWが、今季は味方として加わることになる。

 ◆都倉賢(とくら・けん)1986年6月16日、東京都生まれ。横浜ジュニアユース、川崎FU-18から05年に川崎F入り。08年から草津(現群馬)でプレーし、09年(J2)は43試合23得点と量産。10年にJ1神戸に移籍、昨季限りで契約満了。Jデビューは05年5月4日新潟戦、初得点は08年11月8日鳥栖戦。J通算記録はJ1で64試合12得点、J2が80試合28得点。叔父は作曲家の都倉俊一氏。187センチ、80キロ。利き足は左。