<J2:山形0-0水戸>◇第5節◇30日◇NDスタ

 山形は水戸と引き分けた。激しい降雨で、随所に水たまりが広がるピッチコンディションの中、持ち前のパスサッカーが機能せず、ホーム2連勝を逃した。だが、選手たちは最後まで攻める姿勢を貫き、今季初めて失点0に抑えて勝ち点1を死守した。

 山形が、次につながるスコアレスドローで連敗を回避した。何度も高い水しぶきが上がる激しいマークを受けながら、戦う姿勢を貫いた。シュート数は相手を3本上回る8本。開幕から続けていた2桁シュートはならなかったが、5試合連続で相手を上回った。攻める姿勢が今季初の無失点にもつながった。石崎信弘監督(56)は「何が起こるか分からない状況の中で、特にDFは集中して戦ってくれた」と選手たちを評価した。

 DF石川とFW川西が今季初先発。ボールが転がらず、ドリブル突破がままならない中、石崎監督は「セットプレーを大事にしていこう」と指示。左利きの石川はMFディエゴに代わってCKキッカーも務め、チャンスメーク。開始5分には、ディエゴのヘディングシュートも演出した。得点は出来なかったが、「ディエゴは迫力もあるし、シュートまでつながった。形になってくると思うので継続してやりたい」と新たな可能性を見いだした。

 今季開幕からゴールを守るベテランGK清水も、失点0で切り抜けた。「こぼれ球やセカンドボールの対応が大事になる中、声を出してカバリングできた。ピッチ状況に助けられた面もあったと思うので、普通の状況でも達成したい」と、次戦ホーム愛媛戦での完封勝利を見据えた。【佐々木雄高】