ロングスロー対決も肉弾戦も望むところだ。仙台DF二見宏志(22)が、今日19日のホーム鳥栖戦で4試合ぶりに先発する可能性が高まった。18日の最終調整では“肩慣らし”も完了。J屈指の飛距離を誇る鳥栖MF藤田との投げ合いも制して今季ホーム初勝利、前節横浜戦からの連勝を誓った。

 ベガルタの「人間発射台」が準備を整えた。この日のミニゲームで主力組に入った二見は、セットプレー練習後に得意のロングスローを3回投げ込んだ。最後に先発出場した3月23日大宮戦前以来の“投球”練習でスタメンの可能性が高まり「やっとチャンスが来た。これを逃したら、使ってもらえないと思っている」と背水の陣で臨む。

 左サイドバック(SB)の定位置再奪取のためにも真っ向勝負を挑む。J1ではクラブ初の新人開幕スタメンを勝ち取り、4試合連続でフル出場。チームが不振の中、ゴールを予感させる弾丸ロングスローでサポーターの心もつかんだ。応援コールはスローインのように両手を上下に振るスタイルになり、敵陣の左サイドでボールがタッチラインを割れば歓声が起こるほどの代名詞となった。同じ武器を持つ藤田との初対決に「スローインも危険だけど、クロスを上げさせないことも重要」。守備でも重責を担う左SBとして、得点源の日本代表候補FW豊田へのアシストを封じるつもりだ。

 プロA契約に“昇格”する条件となる出場時間450分にあと45分まで迫りながら、最近リーグ3試合は出番なし。チームが初勝利を挙げた前節横浜戦ではベンチからも外れた。16日のナビスコ杯鹿島戦には途中出場、鳥栖戦で41分以上ピッチに立てば最初の目標をクリアするが「足踏みしてしまったんでダメです。相手は球際に強いんで自分もバチバチ行って、出た試合で勝ちたい」。渡辺監督も「肉弾戦」と語る試合で、再び存在感をアピールする。【鹿野雄太】