J2札幌に新加入する元日本代表MF小野伸二(34)の背番号が「44」に決まった。札幌で過去、誰も付けていない新しい番号で、なおかつ2つの数字を足すと浦和時代に背負い、思い入れのある「8」になるという理由で、小野自身が希望した。札幌・大通公園で行われる9日の入団会見で正式発表され、小野の44番グッズも随時、発売される。

 小野がJ復帰にかける心意気を背番号に込めた。札幌では、サポーターを意味する12番と、期限付き移籍中の選手の背番号は空けたままにするのが原則。現在、使用できる42から50の中で、天才MFが、はじき出した数字は「44」だった。

 「コンサドーレで誰も付けていない番号。そして、真っ白な気持ちでスタートできれば、という思いを込めた」。札幌ではかつて、JFL時代の96年にFW金が付けた45番が最も大きい番号だが、44番は1人もおらず、19年目のクラブ史上初となる。

 小野は98年に浦和でプロ生活を始め、これが6度目の移籍。オランダ、ドイツ、オーストラリア、そしてW杯3大会を経験したが、代表でもクラブでも経験がない未知の番号でもある。フレッシュな背番号を背負い、J1昇格兼、若手育成という新たなチャレンジに乗り出す。

 小野らしい、ひらめきが、もう1つ込められている。「足して8になるので」。浦和では1年目が「28」で、2年目に「8」、オランダ・フェイエノールトに移籍した際も04年から2シーズン、8を背負った。日本代表や清水でも18と、常に末広がりの吉兆番号が入ったものを付けてきた。札幌でも、さりげなく思い入れのある「8」に絡めた番号で、験を担ぐ。

 サッカーではなじみが薄いが、プロ野球では強力助っ人の番号とされている。84年パ・リーグ3冠王の阪急ブーマー、85、86年と2年連続でセ・リーグ3冠王を取った阪神バースが付けていたのが「44」だった。札幌は16戦を終え現在、5勝5分け6敗、勝ち点20の15位と苦戦しているが、実績も経験も技術も文句なしの“最強助っ人”を加えて、巻き返しにつなげる。

 ◆スポーツ界の主な44番

 サッカーでは、マンチェスターU所属のヤヌザイ(ベルギー代表MF)、ゼニト(ロシア)のティモシュチュク(ウクライナ代表MF)らがいる。過去にはナイジェリア代表だったオコチャ、元日本代表FWの高原直泰(現J3相模原)が昨季の東京Vで背負っていた。プロ野球界では3冠王のブーマー、バースのほか、横浜と中日で本塁打王3度のT・ウッズらがいる。