<天皇杯:千葉3-2長野>◇13日◇2回戦◇フクアリ

 12年ロンドン五輪で男子日本代表を44年ぶり4強に導いたJ2千葉の関塚隆新監督(53)が初陣を勝利で飾った。天皇杯2回戦、J3長野戦で初采配を振るい、逆転勝利を収めた。リーグ戦での巻き返しへ好発進した。

 試合終了の笛を聞くと、手をたたき、スタッフ、選手らとガッチリ握手した。昨年J1磐田を指揮して以来、7カ月ぶりの公式戦は、システム変更した相手にてこずり、前半は1-2。それでも「重い空気もあったが、やることをきっちりやって、18人がプレーしてくれた」。地元での初勝利に安堵(あんど)した。

 新監督の船出に花を添えたのが、FW森本貴幸(26)だ。2トップで先発すると、前半10分に右クロスを頭で合わせ先制。関塚体制の初ゴールを決めると、2-2の後半24分には左サイドからドリブルで切り込み、右足で豪快な決勝弾。「監督が代わって最初の試合なので、勝ちにこだわった」と記念すべき初勝利を贈った。

 指揮を執り始めてまだ4日。課題は山積している。前線のプレスが甘い森本に対して「まだまだ。現代的なFWじゃない。もっと攻守にハードワークしてほしい」と注文。チームにも「変化に対応できなかった。その辺(戦術の刷り込み)はまだ時間がかかる」と、長期的な強化の必要性を強く意識している。

 この日はスーツではなくジャージー姿で指揮した。「気持ちの針がそういう風に動いたので。自分で決めました」。20日の栃木戦からはリーグ後半戦が始まる。チームは09年以来6年ぶりのJ1復帰を目指す。現在11位と低迷するクラブで、関塚流の指導によって推進力を増していく。【桑原亮】