<J1:鳥栖1-0名古屋>◇第18節◇2日◇ベアスタ

 鳥栖が名古屋を下し、再び首位に立った。浦和と勝ち点、得失点差で並んだが、総得点で1点上回った。5月10日以来5戦ぶりの首位奪回。雨が降り湿度が高い悪条件下にもかかわらずJ1屈指のハードワークを武器とする堅守速攻がさく裂した。

 献身的な全員守備から攻撃のリズムが生まれ、後半38分にFW池田圭(27)の今季4得点目となる待望の先制点が生まれた。池田は「鳥栖らしい守備からの入りで、チームのために1点が取れた」。尹晶煥監督は「ムシムシ暑い中、90分集中力を持って戦い抜いてくれた」とたたえた。

 驚異の守備力だ。これで18戦を終え、浦和の12失点に次ぐ2位の13失点。今季10度目の完封勝利で飾り、4度目の2戦連続完封を達成した。W杯による中断後、7月に再開された名古屋戦までのリーグ4戦は3勝1敗だが、勝利はすべて1-0。6月下旬から行われた11日間の韓国合宿で心身ともに鍛え直された成果だ。G大阪、フィテッセなどで経験豊富な左サイドバック、元日本代表DF安田も「ここ3試合、鳥栖らしい戦いができている。今日も入りから、しっかり集中して走り勝てた」と評価する内容だった。

 発奮材料はそれだけではない。ホーム最多の2万3277人が詰めかけた7月23日川崎F戦で屈辱の0-1の完封負け。この日の名古屋戦で今季ホーム5勝目を飾ることができた。1万415人の大声援に応えた鳥栖は、もうトップの座を明け渡すつもりはない。【菊川光一】