<J2:北九州2-0札幌>◇第25節◇3日◇本城

 J2札幌は北九州に敗れた。前半41分にMF小野伸二(34)のパスミスから、カウンターで失点。後半20分にはDF櫛引一紀(21)が自陣ゴール前の反則で一発退場となり、PKで致命的な2点目を許した。敵地では6月7日の讃岐戦以来4戦ぶりの黒星で2連敗。小野にとってJ2での無得点での連敗は初となった。勝ち点は34のままで、順位は11位に落ちた。

 良くも悪くも小野がポイントだった。0-0の前半36分、MF宮沢が倒され得たゴール前25メートルのFK。小野が蹴ったボールは、クロスバーに嫌われ、先制点のチャンスを逃した。その5分後。今度は小野がピンチを招いた。自らが出したパスを奪われ、そこからカウンターを食らい、まさかの失点。支配し、有利に試合を運んでいただけに痛い先制点となった。

 後半20分には櫛引が自陣ゴール前で、突破を図った北九州FW池元のユニホームを引っ張り、レッドカードで一発退場。同22分にPKで追加点を許し、数的不利の中、2点をはね返すことはできなかった。小野は「僕のFKが決まっていれば試合は変わっていた。失点も僕のパスミス。でも、そこから80メートルぐらいあった。どうにかクリアできるところもあった。改善点はあった」と振り返った。

 小野にとって、この北九州戦を乗り切れば、6日の天皇杯2回戦は登録メンバーに入っていないため、10日の京都戦まで、試合間隔が空く。きつい夏場の連戦も、ここが踏ん張りどころだっただけに痛い連敗となった。J2は00年浦和以来14年ぶりだが、出場した試合で無得点での連敗はこれが初めて。得点を取るための修正点について「緩急が大事。つなぐのはうまいがスピードを上げるときにパスミスがある。そういう部分を直す必要がある」と挙げた。

 敗れはしたが、10人になりながら、敵陣に押し込み、終わってみれば相手を15本上回るシュート20本を放つなど、積極的な姿勢を見せたのは、チームとして決してマイナスではない。「都倉のように思い切って打っていけば相手が詰めて、スペースも生まれる。みんなが自分で何かをやろうとすることが大事」。残り17試合、小野がまいた種を、少しずつ実らせていければ、浮上のチャンスは十分ある。【永野高輔】