<J1:浦和1-0広島>◇第20節◇16日◇埼玉

 浦和は4試合ぶりの無失点勝利で、日本代表ハビエル・アギーレ新監督(55)の視線を引きつけた。後半ロスタイムに、GK西川周作(28)は、広島MF柴崎が1対1で放ったシュートをしっかりとセーブした。決められていれば引き分けが濃厚になる絶体絶命のピンチで、実力を発揮。試合終了まで見ていたアギーレ監督へ、最高のアピールとなった。「無心でしっかり構えて待ってました。DFも体を寄せていたし、決して自分だけのセーブではありません」と笑顔で振り返った。

 攻撃につながるプレーも見せた。後半29分には、広島のCKでボールをキャッチすると、間合いをおかずに前線へ供給。走りだしていたFW李がドリブルから枠内ミドルシュートを放った。アギーレ新監督が就任会見で話した理想のチーム像は「GKを含め、DFからFWまで全員で守り攻める」。西川も「守備だけでなく、そこからの攻撃にGKも関わっていく時代。次世代のGKは攻撃も求められているので、そこはトライし続けたい」と話した。

 守備陣は、W杯で優勝したドイツ代表が使う積極的にプレスを掛ける戦術を意識。DF槙野も「欧州で主流のサッカーを試していきたい」と守備全体で新監督にメッセージを送る。前半22分に、先制点の起点となるFKを蹴ったMF柏木も「攻守をしっかりするのは、自分のスタイル。チームの勝利に貢献しつつ、代表は常に目標にしている」。アギーレ新監督の最初の視察試合で、チーム全体で「浦和」の印象を刻みつけた。【保坂恭子】