J2札幌のU-21代表MF荒野拓馬(21)が30日、今日31日の熊本戦(うまかな・よかなスタジアム)での9試合ぶりゴールを目標に掲げた。9月6日の長崎戦後、仁川アジア大会参加でチームを離れるため、バルバリッチ新監督(52)不在の2戦が、貴重なアピールタイム。離脱前の180分で結果を残し、新監督の頭に「荒野」の名前を焼き付ける。

 監督が代われば、選手の起用方針も変わってくる。「新監督が来てすぐにアジア大会に行ってしまう。代表での活躍も大事だが、まずチームでしっかり結果を残していきたい」。同新監督が指揮を執るのは最短で9月14日の岐阜戦。アジア大会でU-21日本代表が決勝に進出すれば岐阜戦から同28日の松本戦まで4試合欠場となる。新監督によるメンバー選考の土台となる熊本、長崎戦で自分の特長を印象づけることが、再合流する10月以降のカギを握る。

 起用し続けてくれた財前前監督への感謝の気持ちも忘れない。今季はサイドハーフの定位置を獲得し、6月14日の横浜FC戦から3試合連続得点を記録も、最近出場した7試合は無得点。札幌U-18時代から指導を受けた恩師が解任される事態に「結果が出ないと、人の人生が変わるんだと痛感した。今は、財前さんから学んだことをしっかり出して、恩返しがしたい」と気を引き締めた。

 監督交代後の初戦。昇格戦線に食らいつくための大事な一戦は、荒野の一撃で6戦ぶり白星を呼び込む。【永野高輔】