<J1:仙台1-0東京>◇第27節◇5日◇ユアスタ

 仙台がホームで東京を破り、8月16日ホーム清水戦以来7試合ぶりの勝ち点3をつかんだ。後半30分、敵陣で4人が連動してパスをつなぎ、最後はFW赤嶺真吾(30)がこぼれ球を右足で押し込んで決勝点。前節川崎F戦で自信を取り戻した守備でも日本代表4人を擁する東京を全員で抑え込み、8試合ぶりの無失点で13位に浮上した。

 赤嶺の執念が、ついに実った。後半30分、FWウイルソンのシュートを日本代表GK権田がはじいたこぼれ球に素早く反応。前々節鹿島戦では終了間際にネットを揺らしながら不運な判定に泣き、前節も直前のファウルで得点が認められなかった。三度目の正直で決めた今季7ゴール目に「思い入れのあるクラブとの対戦で、やってやろうと思っていた」。最近14戦負けなしだった古巣を沈める一撃に胸を張った。

 エースとして低迷の責任を感じていた。前節終了時点での総得点23はリーグワースト4位。赤嶺も7月以降12戦2得点で、いずれも勝利に結びつかず「この順位にいるのは、前(FW)の選手が取れていないから」。欲しかった決勝ゴールは13試合ぶり。常にチームの勝利を最優先に考える男は「みんなで連動して取れてよかった」と喜んだ。

 守備での貢献度も絶大だった。7月のアウェー戦は相手のボランチ3人に自由を与えたことが敗因だった。その反省を生かし、中盤にボールが入ると最初に赤嶺が戻ってプレスをかけた。狙い通りにボールを停滞させて速攻を封じ「ホームで堅い守備を発揮できてよかった」とうなずいた。

 全員で守り、決めるべき人が決める。真骨頂を取り戻したベガルタが、次節で首位浦和からも勝ち点3を奪いに行く。【鹿野雄太】