<J1:名古屋2-2東京>◇第31節◇2日◇瑞穂陸

 サッカー日本代表の東京FW武藤嘉紀(22)が、スーパーゴールで新人のJ1年間最多得点記録に並んだ。1-2で迎えた名古屋戦の後半31分、前線で左に流れながら4人をかわし、角度のない位置から、左足で対角のゴール右隅に決めた。残り3試合で、史上初の新人得点王が視野に入ってきた。

 新人の東京FW武藤が今季13ゴール目。同僚のFW渡辺が横浜時代の09年に記録した新人のJ1年間最多得点記録に並んだ。この日はチームに勝ち点1をもたらす同点弾。得点した試合は10試合で7勝3分けといまだ負けなしだ。09年の渡辺の得点試合は7勝2分け3敗だったが、武藤のゴールはすべてチームの勝ち点に結びついている。

 得点ランク首位に2ゴール差と迫り、史上初の「新人得点王」も狙える勢い。09年の渡辺は得点王を獲得したFW前田(磐田=20点)と7点差のランク8位。新人歴代3位タイとなる12点を挙げた94年のFW城はトップに18点差の18位、同じく11年のFW金園は7点差の11位にとどまった。新人で2桁ゴールを挙げた過去3人の得点ランク首位とのゴール差を見ても、今季武藤の新人らしからぬ活躍ぶりがさらに際立つ。【石川秀和】