J2磐田のMF田中裕人(24)が27日、J1昇格をかけた大一番で1年ぶりに先発することが濃厚になった。この日ヤマハスタジアムで、30日の昇格プレーオフ準決勝・山形戦(ホーム)に向けて紅白戦が行われ、田中が主力組のボランチに抜てきされた。ボール奪取力とセカンドボールへの嗅覚が特長。「ボールを捕る、バランスを取る、状況判断に集中して、無になって戦う」と誓った。

 今季はけがもあり、5試合でわずか25分の出場にとどまっている。「悔しかったけど、ふてくされずに練習試合を公式戦と思ってやってきた。それを見せるのがこの試合」。山形には、昨季の同僚で特長が似たMF松岡亮輔がいるが「松岡さんよりボールを拾って成長を見せたい」と意気込んだ。

 山形は26日の天皇杯準決勝に勝利し、勢いがある。15日のホーム最終戦では0-2で完敗した。「同じ場所で2敗はできない。相手は波に乗っているけど、逆にたたけば自分たちが一番、勢いを得る」。田中がセカンドボール争いに勝てれば、チームの決勝進出が見えてくる。【岩田千代巳】