仙台FW柳沢敦(37)が、今日6日のアウェー広島戦で最後の雄姿を見せる。前日4日に今季限りでの引退を発表したベテランはベンチスタートが濃厚だが、出場の可能性は十分。現役生活19年、J1通算371試合目に勝ち、花道を飾る。

 柳沢が19年間の集大成を見せる。引退会見から一夜明けた5日の最終調整では、時折笑顔も見せながら約1時間のメニューをこなした。練習後には、見送りに集まったサポーター約50人のサイン攻めや写真撮影に丁寧に応じて敵地へ出発。「支えてくれた多くの人たちへの感謝を込めて、今までやってきたことを全部ぶつける」と必勝を誓った。

 チームメートも燃えている。3季連続のリーグ戦全試合出場が濃厚なMF太田は「自分がうまくいかない時に相談に乗ってくれて、前向きに話をしてくれた。最高の試合をしたい」。負傷離脱中のDF石川直に代わって左サイドバックでの先発が確実なDF村上も「ヤナさんも含め、それぞれのサッカー人生において大事な試合にしないといけない」と気合十分。敵地でのJ1最終戦の連敗を4で止め、日本サッカー界を引っ張ってきたストライカーを笑顔で送り出すつもりだ。

 前節まで残留争いに巻き込まれたが、勝てば昨季と同じ13位に浮上する可能性がある。渡辺監督は「消化試合ではない。ヤナギのためにも勝って締めくくりたい」と言った。選手、スタッフ、サポーターが思いを1つに、柳沢のラストゲームに臨む。【鹿野雄太】