<チャリティーサッカー2014:東北ドリームス12-8JAPANスターズ>◇14日◇ユアスタ

 今季限りで現役を引退するJ1仙台FW柳沢敦(37)が、本拠ユアスタで最後のユニホーム姿を披露した。東北ドリームスの背番号13で先発出場し、前半15分に右足でチーム初ゴール。尊敬する横浜FCのFW三浦知良(47)の代名詞「カズダンス」を初披露するなど2得点の活躍で1万1475人の観客を喜ばせた。

 柳沢が合計20発のクリスマスプレゼントを被災地に贈った。前半4分、ゴール左で得たFKで味方9人がまたぐ演出のあと、発案した柳沢がシュート。壁に当たったこぼれ球から、相手の日本代表FW武藤(東京)がドリブルで上がって決めゴールラッシュが始まった。0-3の同15分に右足でチーム初ゴールを決め、後半35分にはDFラインの裏へ抜け出し、GKをかわして2点目。チーム最多のシュート5本を放ち、ゴールを狙い続けたストライカーは「今までにないような試合ができた。楽しかった」と笑顔を見せた。

 優しさも最後まで変わらなかった。試合終了間際に自ら得たPKを、同じく今季限りで引退する鹿島DF中田に譲った。最後は右サイドからの絶妙なクロスで楽天銀次の3点目をアシスト。試合後は胴上げと引退セレモニーが行われ、鹿島時代に黄金期を築いたMF小笠原から花束を受け取った。「みんなに喜んでもらえて幸せだったし、最後にユアスタのピッチに立ててよかった。感謝の気持ちでいっぱい」。正真正銘のラストゲームも柳沢らしく、19年間の現役生活に幕を閉じた。【鹿野雄太】