昨季3冠を達成したG大阪のFW宇佐美貴史(22)が7冠の野望を口にした。13日、チームは大阪・吹田市内で新スタジアム見学と必勝祈願。個人としては得点王、チームとしては、昨季の3冠にACLやゼロックス杯、スルガ杯などを加えた6冠を目標に定めた。08年度以来のACL制覇にこだわり、その先にあるクラブW杯で7冠を狙う。

 今秋完成予定の新スタジアム横のクラブハウスで、3冠を達成したエースの第一声は少年のようだった。「わくわくしている」。宇佐美にとっても、今まで以上に注目度が高い1年が始まる。新本拠地の見学で気を引き締めた後、吹田市内の伊射奈岐(いざなぎ)神社で必勝祈願も行った。「個人としてもチームとしても結果を出せるように人一倍強く祈願した」。

 昨季の3冠に加え、今季は6冠の可能性がある。その中でも、ACLを制覇しアジアチャンピオンになるとクラブW杯に出場でき、7冠の野望が膨らむ。

 「(タイトルは)1つ2つというよりは、全て取る強い気持ちでやっていきたい。(中でも)ACLは世界につながる大会。もう1度アジアで一番強いチームだと証明したい。どのタイトルも大事やけど、やっぱりACLを取りたい」

 3年ぶりとなるACL出場。長谷川監督も「頂点目指してACLのタイトルを全員で取りにいきたい」とクラブW杯への出場をにらんでいた。

 ACLだけでない。昨季は負傷で出遅れ、リーグ戦10得点に終わった。得点王までは8点も足らなかった。2連覇の期待がかかる今季は「Jリーグで一番点を取る選手になりたい」。そして「去年の倍ゴールを取りたい」と力を込めた。3冠チームのエースとしてマークも厳しくなる。それでも「マークされて止まるようではいけない。切り裂いていく選手になっていく」と自らを鼓舞した。6冠、その先の7冠へ。宇佐美の挑戦は始まったばかりだ。【小杉舞】