南国で熱血今野塾開講だ。G大阪の日本代表MF今野泰幸(32)がチームの底上げに一役買う。11日は宮崎・綾町で2次キャンプに参加。約800人のファンが駆けつけ、4対4の激しいミニゲームなどで約1時間半汗を流した。

 練習中は鬼軍曹となり、ピリピリとした緊張感が漂った。今野がキャンプに特別参加しているユース勢相手に容赦なく当たりに行く。シュートを外すと「入れろよ!」とゲキ。「監督の練習を100パーセントやりきるのが大事だから」と一瞬のスキも許さない雰囲気だった。

 しかし、宿舎に帰ると一転。今季ユースから昇格した同部屋のMF嫁阪(よめさか)と意思疎通を図る。故障で出遅れた新人のモチベーションを保つよう「親は(プロになって)喜んでる?」などと優しく話しかけているという。「俺がずっと質問してる。俺の方が大人だからね(笑い)」。1人1人の不安を取り除き、一体感を作り上げるのが今野流だ。

 総力戦で臨むシーズンが始まる。24日にはJ1開幕(3月7日)より一足先にACL初戦を迎える。「1戦ずつやりきりたい。今年はチームが苦しいときに得点も挙げたい」。背番号15が先頭に立って若手に刺激を与え、3冠王者をさらに進化させる。【小杉舞】