アジアの頂点目指し、秘策を特訓だ!

 G大阪は12日、宮崎・綾町で2次キャンプ9日目を迎えた。今日13日の練習試合(横浜戦、北九州戦)でキャンプ打ち上げとなるが、最後の練習ではセットプレーを入念に確認。キッカーのMF遠藤保仁(35)を中心に、細かく指示が出され、昨年全く行っていないというトリックプレーの練習も行った。

 南国らしからぬ寒風が吹く中、遠藤の声が響く。「もうちょっと中入って」。大事な得点パターンとなるセットプレーを1球、1球入念に確認。ペナルティーエリア左、正面、右のFK。2、3メートル微妙に動いた場所でもう1度蹴る。CKも何本も試した。宮崎キャンプの仕上げに行われた練習は30分以上も続いた。

 ピッチの周りでは誰もが驚いた。日本が誇るキッカーが直接狙える位置から、トリックプレーも確認。1人うなずいていたのは、長谷川健太監督(49)だった。「去年はこっちが(トリックプレーを)やれって言っても聞かなかったから、自主的に考えさせた。自分たちで考えれば試合の中でも出てくるでしょ」とニヤリ。初めての取り組みでも、柔軟に対応した選手に納得の表情だった。

 器用に二刀流もこなす。24日にACL1次予選が始まり、28日には富士ゼロックス・スーパー杯でタイトルを懸けた試合が始まる。ACLと国内戦では使用球のメーカーが違うため、分けて練習するチームもあるが、G大阪では完全に“ごちゃ混ぜ”。遠藤は「蹴る方に関してはそんなに変わらない」と、冷静だった。

 再び頂点へ。挑戦が始まる1年を前に、3冠王者は新たな武器を手に入れようとしている。【小杉舞】