普通に戦っていれば、マンチェスターCが勝っていたかもしれない。9月30日の欧州チャンピオンズリーグ1次リーグ・マンC-ローマ戦。マンCは開始4分にアグエロのPKで簡単に先制したが、23分に追いつかれた。

 「ローマの王子様(現在38歳だが、いくつになっても王子様)」こと、FWトッティにDFラインの裏へ抜けられ、1対1になったGKハートをあざ笑うようなループシュートを決められた。試合はそのままドローで終了した。

 マンCはただでさえ厳しいE組の中で、開幕2試合で1分け1敗。2連勝の首位Bミュンヘン、1勝1分けの2位ローマに追いつき、追い越すのは、チーム力、勢いなどを加味しても、それほど簡単ではないように思える。

 実は試合前にマンCの公式ツイッターが「余計なこと」をしていた。

 We’re looking forward to hosting you @OfficialASRoma, and a legendary player such as Totti. He’s never scored in England, has he? #CityvRoma(我々はローマのみなさん、中でもトッティのような伝説的選手を迎えることを楽しみにしています。彼はイングランドでは得点したことがなかったですよね)と、つぶやいたのだ。

 トッティがこのツイートを読んでいたかは定かではない。だがマンCは屈辱的なゴールを決められ、これで4季連続、欧州CLホーム初戦で勝利なしとなった。一方、9月27日に38歳になったばかりのトッティは、CL史上最年長ゴールという勲章まで手に入れた。

 赤っ恥をかいたマンCのペジェグリーニ監督は英スカイ・スポーツに「ホームで勝ち点1しか取ることができず落胆している。我々にはCLでの経験があるというのに、普段プレミアでやっているようなプレーができなかった」と話し、肩を落とした。ロイター通信には「シティには2011年からのCLの経験があるにもかかわらず、そこから学んでこなかったようだ」とまで書かれてしまった。

 ローマのガルシア監督は、今季セリエAで開幕から5戦全勝の成績を残している理由について「選手たちの勝とうとする姿勢、そして精神的な成熟ぶり」を挙げている。その中心にいるのがトッティだ。くだらない挑発にも動じず、素晴らしいゴールを決めるあたり、役者が違ったようだ。