ヘルタのオーストラリア代表FWマシュー・レッキー(26)がシュツットガルト戦で2得点を挙げ、勝利の立役者となった。14日のドイツ杯ロストク戦で2アシスト。数日前には長女オリビアちゃんが誕生と公私ともに充実している。31日のW杯アジア最終予選オーストラリア戦では日本にとって脅威の存在となりそうだ。

 レッキーのゴールは鮮やかだった。後半1分、右サイドを駆け上がり、巧みに相手DFをかわして左足で流し込んだ。同17分には左CKからのこぼれ球を逃さず、再び左足で押し込む。「1点目はいい動きができたし、2点目はいるべき時にいるべき場所にいた」。11年夏からドイツでプレーするが、ブンデスリーガでの1試合2得点は初めて。その後もわずかにゴール上にそれるシュートを放つなど、好調さを見せつけた。

 2部に降格したインゴルシュタットから今夏に新加入した。プレミアリーグ移籍の可能性がある原口の代役としての獲得といわれた。だが、ダルダイ監督に「右でも左でもよく走れる」と評価され、現状では原口を先発から押し出す形に。いずれも2-0で勝ったドイツ杯、この日と公式戦2戦連続で全得点に絡んだ。

 数日前にはパパとなったこともあり「今週は人生の中で最良の時だ。数日は余韻を楽しみたい」とすっかりご機嫌だ。この勢いを31日の日本戦に持ち込まれると手ごわい。この日、スコットランドではセルティックのオーストラリア代表MFロギッチがキルマーノック戦で2アシストをして、2-0の勝利に貢献。日本との大一番に向け、ライバルには好材料が重なっている。

 ◆マシュー・レッキー 1991年2月4日、メルボルン生まれ。11年夏にボルシアMG入り。14-15年は2部インゴルシュタットで7得点と優勝&1部昇格に貢献。昨季は30試合出場も無得点でチームは降格。代表ではオジェック監督の下、12年11月韓国戦でデビュー。15年アジア杯優勝。国際Aマッチ44試合で5得点のうち3点がW杯予選。昨年10月の日本戦は途中出場。6月コンフェデ杯は2戦目までフル出場、3戦目は途中出場。181センチ、82キロ。

 ◆W杯アジア最終予選B組の行方 勝ち点17で首位の日本は、31日にホームで同16のオーストラリアに勝てば2位以上が確定し6大会連続6度目の本大会出場が決まる。引き分けるか敗れると、最終戦となる9月5日のサウジアラビアとのアウェー戦に持ち越される。残り2試合で1勝すれば自力で出場権を得られるが、勝てない場合は日本戦以外にタイ戦を残すオーストラリア、UAE戦を残すサウジアラビアに抜かれ3位転落の可能性がある。