Rマドリードのブラジル代表MFカカ(28)が、幼少期から交流のある“日本の両親”に、繰り返し励ましの電子メールを送っていたことが15日、分かった。93年に国際交流の一環として初来日した当時11歳のカカを、ホームステイ先として受け入れていた、山形県最上町の自営業押切政志さん(60)久子さん(59)夫妻に、日本時間12日早朝から前日14日午後まで3度、送られた。政志さんは「私たちだけでなく、日本人全員のことをすごく心配してくれていた」と感謝した。

 最初に届いたメールは、震災が発生した現地時間11日にスペインから送られたもので、簡単な英語で「今日、日本で起きたニュースを聞いたけど大丈夫ですか?

 無事であれば、できるだけ早く教えてください」と、書かれていた。同じ東北地方でも太平洋側とは違い、被害が少なかったことと、押切さんの無事を確認した後は、最上町にブラジル出身者が多いだけに、母国語のポルトガル語で届いた。「あらゆる日本人の苦しみを想像できます」「お世話になった国のことを思うと心が痛みます」「私にできることは励ますことぐらい」などとつづった。

 カカと押切さん夫妻は、初来日以降も家族ぐるみで交流を続けていた。02年W杯、03年トヨタ杯(現クラブW杯)で来日した際には、大きなこいのぼりをプレゼントした。久子さんは「なかなかできないこと。すごく勇気を与えられた。心の広い人だなと感じた」と“息子”の成長ぶりに、感銘を受けていた。