<ブンデスリーガ:ドルトムント1-0Bミュンヘン>◇11日◇ドルトムント

 日本代表MF香川真司(23)の所属する首位ドルトムントが、連覇へ前進した。ホームで2位Bミュンヘンに勝利した。香川は先発し、後半29分までプレー。決勝点は同32分にFWレバンドフスキが左足ヒールで決めたものだった。リーグ戦4試合を残し、2チームの勝ち点差は6点。Bミュンヘンは同40分のロッベンのPK失敗が痛かった。同クラブのMF宇佐美貴史(19)はベンチ外だった。

 試合終了の笛が鳴るとお祭り騒ぎが始まった。香川もジャージー姿でベンチから飛び出し、歓喜の輪に加わった。選手以外のスタッフも全員が出てきて、勝利の雄たけびを上げた。欧州チャンピオンズリーグでも4強入りしている宿敵Bミュンヘンを破り、4試合を残して勝ち点6差。連覇へ十分すぎるアドバンテージとなった。

 8試合連続先発の香川は、何度か好機を演出し、シュートも放った。だが無得点で後半29分にベンチに退いた。その直後の同32分、グロスクロイツのシュートを、レバンドフスキが左ヒールで方向を変え、決勝点を決めた。それだけに香川は試合後、「こういう厳しい戦いの中で、もっと存在感を出せるようにという意味では物足りない結果だった。(うれしさと悔しさが)半々な感じですね」と悔しさをのぞかせたが、勝利については「かなりデカいでしょ。しかも相手にPK与えて、ロッベンが外して。ダメージが大きいと思う」と話した。

 翌日のドイツ地元紙も、すでにドルトムントが連覇したかのような報道だった。ビルト紙は「Bミュンヘンがドルトムントにマイスターシャーレ(優勝皿)を贈った」という記事を掲載。ドルトムントの優勝は80%決まったとし、クロップ監督の「今日よりいいサッカーをすることはできない。チームに脱帽だよ」というコメントを紹介した。香川個人の評価も同紙は2(1~6で1が最高)と高かった。

 香川は今季すでに12点を挙げており、このまま優勝すればMVPの可能性も出てくる。それでも、次節14日のシャルケ戦に向け、「まだシーズンは終わっていない。彼らも必ず勝ちに来る。そこで負けたら何もならないんで頑張りたい」と気を引き締め直した。【鈴木智貴通信員】