今日28日開幕の「U-12ジュニアワールドサッカーチャレンジ」に参加するバルセロナU-12チームのマルセル・サンス・ナバロ監督が、同クラブ育成機関(ラ・マシア)の素晴らしさを訴えた。前日会見が27日、都内で行われ「我々のサッカーは魅力的だと思いますが、サッカーだけでなく、(人間)育成の部分でも力を入れています」と話した。

 バルセロナは今年4月、国際サッカー連盟(FIFA)から18歳未満の外国人選手獲得に違反があるとの指摘を受けた。クラブは異議申し立てをしたが却下され、スポーツ調停裁判所(CAS)の判断しだいでは、来年1月と来夏の移籍市場で新たな選手が獲得できなくなる。

 FIFAの規定では、例外として(1)両親がサッカー以外の理由で移住した場合(2)16歳以上18歳未満でEU圏内、欧州経済領域内での移籍(3)自宅が移籍先の国境から50キロ以内にあり、移籍先のクラブも国境から50キロ以内にある場合、を除き、18歳未満の国際移籍を禁じている。スペインのムンド・デポルティボ紙によると久保建英(13)ら10人の獲得が規定に引っ掛かるという。

 ただ、もともとFIFAが若年層の海外移籍を禁じた理由は「サッカーで成功できなかった場合、クラブから見捨てられる」と懸念したため。ナバロ監督はFIFAへの反論等は口にしなかったが、「トップチームやユース年代まで行かなくても、勉強で大学まで教育を受けている選手がたくさんいます」と、FIFAの心配がバルサには該当しないと説明した。

 久保同様にスペインでプレーする18歳未満の外国人選手は無数におり、バルサだけが狙い撃ちされていると、FIFAを批判する声もある。CASの判断が注目される。

 ◆U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ

 昨年は12チームで行われ、バルセロナが優勝。今年は参加チームが16チームに増え、ACミランなども参加。4チームずつA~D組に分かれて1次リーグが行われ、各組上位2チームが決勝トーナメントに進む。準々決勝まで東京・稲城の東京Vグラウンドで行われ、準決勝・決勝(ともに31日)は味の素フィールド西が丘で開催される。