[ 2014年2月15日9時24分

 紙面から ]英国に敗れ悔しがる、左から吉田、小笠原、船山、小野寺(撮影・PNP)<ソチ五輪:カーリング:日本3-12英国>◇14日◇女子1次リーグ

 「カーママ」小笠原歩(35)が率いる北海道銀行の日本は、昨季の世界選手権覇者の英国に大敗した。第7エンドに5点を失い、ギブアップした。1次リーグ初の連敗で通算2勝3敗と黒星が先行。今日15日には前回銀メダルのカナダと対戦するなど険しい道のりが続くが、国内でのカーリングの普及を念頭に粘り強く戦っていく。

 3-7で迎えた第7エンド。有利な後攻で大量5点を奪われ、日本はギブアップするしかなかった。3-12の大敗。それでも「カーママ」に暗さはない。小笠原は「いいショットを投げても、いいショットを投げ返してくる。ギリギリのところに決めてもさらにいいショットを決めてきた」と、世界王者との戦いに充実感すら感じていた。

 世界ランク3位の英国は完ぺきなショットを連発してきた。第4エンドで2-5と劣勢の展開。日本はストーンをハウス内にたくさんためて大量得点を狙った。逆に大量失点の可能性もある作戦だったが、「カーリングとは1投で逆転できるもの。攻めるということは捨て身なんです」と小笠原。リスクある戦いに後悔はなかった。

 今日15日は世界ランク2位のカナダと対戦する。16日には4位のスイス、17日は最終予選で連敗した中国、18日は1位のスウェーデンと強豪との連戦が続く。だが、小笠原に悲壮感はない。「ランクでは最下位みたい(10チーム中9番目)なもの。1つでも上を目指して、1つでも勝つこと。今日は終わった。もう明日しか考えていない」。試合後は船山とともにテレビ解説で訪れた荻原健司氏と笑顔で記念撮影した。

 日本では12日のロシア戦テレビ視聴率が18・3%(関東地区)を記録するなど注目度は高い。小笠原は「厳しい戦いが続くが、粘り強く、いい試合をしたい。カーリングの醍醐味(だいごみ)を、もっと届けることがわたしの使命」と、今後も続く強豪との対戦を待ち望んだ。【田口潤】