世界選手権で惨敗した日本の陸上界は、任期途中で強化トップが引責辞任する異常事態となった。来年のリオデジャネイロ五輪に向けた立て直しを急ぐとして、関係者によると強化担当者の交代は最小限にとどめる方向だ。「実態は看板の掛け替えでしかない」と懸念する声も漏れる。

 2020年には東京五輪も控え、この時期にあえて体制を変えるなら5年後を見据えたものにするのが本来だろう。だが次の強化委員長は来年の五輪を戦うための暫定的なものになる可能性が高く、組織としての本気度が問われかねない。

 原田強化委員長の誕生に際しては、日本陸連事務局サイドの意向が大きく働いたとされる。それにもかかわらず、責任を一部に負わせ、今後も「事務局主導」の状態が続くのであれば、劇的な変化は望めそうにない。