<陸上:実業団女子駅伝中日本大会>◇21日◇岐阜県庁発着6区間◇42・195キロ

 豊田自動織機は昨年のVメンバーから、エースの小林祐梨子(23)以外の5人が代わった布陣で臨んだ。直前に軽い故障があったとはいえ、小林を4.6キロと短い4区に起用。小林と6区の仙頭さゆり(23)が区間賞の走りを見せたが、残りの4区間でデンソーに区間賞を奪われ2時間17分49秒で2位に終わった。

 長谷川重夫監督は「もう少しデンソーと優勝争いをしたかったけど、選手個々が良い走りができなかったなかで昨年の優勝タイムから1分以内にとどめたのは、ほど良い結果だったと思います」と、敗戦にも淡々と語った。

 長谷川監督は全国高校女子駅伝優勝2回の実績を買われ、昨年豊田自動織機の監督に就任。「最初の実業団駅伝ということで、去年は中日本で気合いが入りすぎました。優勝しましたが全国は12位。空回りしたところがあった」。その反省もあり、今大会にはピークを合わせなかったのだ。

 ただ、昨年までエースだった小島一恵が故障で今季中の復帰は無理という状態。期待の新人、菅華都紀(18)も今大会の1区でデンソーに48秒差をつけられた。優勝したデンソーが優勝候補に浮上したのとは対照的に、豊田自動織機の評価は下がった。

 だが、菅は入社後脚の付け根が故障して出遅れていた。5区で区間2位だった永田あや(22)は、ここ数年スランプに陥っていたが、今季は復調してトラックで自己新をマークした。「菅は練習ができていませんでしたが、怖がらずにデンソーについて行った。ブレーキだったと言う人もいますが、私はすごく頑張ったと思う」。

 全日本では小林を1区か3区、前半の重要区間に起用するだろう。豊田自動織機は本番につなげるための“ほど良い結果”だった。