<全国高校総体:柔道>◇5日◇千葉・成田市中台運動公園体育館

 女子団体戦と同個人戦が行われ、団体は東大阪大敬愛(大阪)が決勝で大成(愛知)を制し、初優勝を飾った。「1回戦からずっとヤマだと思っていた。きつかった」。平田勝美監督は激闘を振り返った。「ありがとう」-。悲願達成の瞬間は、涙が止まらなかった。

 先鋒(せんぽう)で登場した主将の池絵梨菜(3年)が流れを作った。「必ず後ろがつなげてくれる」。斉藤芽衣(2年)米沢夏帆(3年)らも粘り強い戦いで同校の優勝を引き寄せた。3人はいずれも高知・香長中の出身だ。「県外の強豪で」と東大阪大敬愛に進学した池、米沢に続き、後輩の斉藤も憧れの先輩を追った。

 入学時から「個人でも団体でも、絶対に日本一になると決めていて、それを目標に頑張ってきた」と言う池は「達成できて本当にうれしい」と目を細めた。初優勝までの道のりは平たんではなかった。1年時の金鷲旗で胸鎖関節を負傷すると、2年時にも2度ケガに見舞われた。だが気持ちが揺らがなかった。「支えてくれた人たちの期待に応えたい」。あふれる思いが、彼女の背中を大きく後押しした。