シンクロナイズドスイミングで男女の選手が初めてペアを組む混合デュエットの安部篤史(32=トゥリトネス)と足立夢実(26=国士舘シンクロク)は28日、7月の世界選手権(ロシア・カザニ)に向けて練習を公開した。

 この日は技術力が問われるテクニカルルーティン(TR)の一部を披露。テーマは「オペラ座の怪人」だが、男子として初めて代表入りした安部はスタミナ面に苦しむ。

 花牟礼雅美コーチは「怪人ではなく疲れた人。早く怪人の域にいってほしい」と期待を込めて厳しい言葉を口にした。

 3月から練習を開始して3カ月。右肩、左足など故障は絶えない。それでも「今まで(男子で)シンクロをやって日の目を見なかった方に感謝しつつ、これから盛り上げるために頑張る」と、合宿では1日10時間以上のハード練習をこなしている。ペアを組む足立とは練習、食事と常に一緒にいる。

 足立は「空気みたいな存在になってきた。夫婦の域にはいってませんが」と話す。深い信頼関係はシンクロに良い影響を与えそうだ。今後は来月のスペインオープンで初の国際試合に出場後、世界選手権に向かう。