ノルディックスキー・ジャンプ男子のレジェンドこと葛西紀明(43=土屋ホーム)、伊東大貴(雪印メグミルク)らW杯代表6人が8日、“緊急”帰国した。当初、今週末(12、13日)のW杯ニジニタギル大会(ロシア)に参加せず、その間は欧州でトレーニングするはずだったが、雪不足で練習ができないことや、疲れ、ストレスなどを考慮し、国内調整に切り替えた。

 代表6人は16日に再度、欧州に向かい、22日には再び帰国。そして、年末には伝統のジャンプ週間への出場のため、またまたまた欧州に渡る。超ハードなスケジュールになるが、葛西は「少しでも帰れるなら日本に戻ってきた方が、体も頭も休まる。温泉でも入ってゆっくりしたい」とプチ日本滞在を満喫し、リフレッシュするつもりだ。

 今季は、開幕戦で5位に入り上々のスタートを切ったが、続く2戦は強風でキャンセル。5、6日のW杯リレハンメル大会(ノルウェー)2戦も悪天候でラージヒルからノーマルヒルに替わり30、17位。約2年ぶりに個人総合で10位以内(13位)を外し、予選から出場する不本意な結果で流れに乗りきれていない。「練習よりはいいジャンプができているけど天候がね。でも、何とかポイント(30位以内)は取れている。日本ではフィジカル面で汗を流したい」と話した。

 W杯の出場が、国際スキー連盟(FIS)のミスで2戦プラスされ、500戦出場まであと18戦に迫った。周囲から記念すべき日にパフォーマンスを促され「葛西ポーズとか何か考えてください。いいのがあったら何かやりますよ」と公約した。自身の持つ最年長優勝記録更新にも「早く勝ちたい」と意欲満々。レジェンドは、いつも元気だ。