日本女子は3位決定戦でロシアに2-1と勝利し、3位で大会を終えた。シングルスの2番手で出場したエースで世界ランク3位の上地結衣(22=エイベックス)は、6-1、6-2で圧倒。続くダブルスでも二條実穂(35=シグマクシス)とペアを組み、6-4、6-1のストレート勝ちして、リオデジャネイロ・パラリンピックの金メダル候補の貫禄を示した。4月の右ひじ手術から復帰した国枝慎吾(32=ユニクロ)を擁する日本男子は、28日にフランスと決勝。9年ぶりの優勝に挑む。

 ナイトゲームになった熱戦を制したのは、日本女子だった。1-1で迎えた、ダブルス戦。上地はリターンエースで第1セットを6-4で奪うと、第2セットは強烈なサーブから、強打やドロップショットで要所を締めた。二條のサーブに、相手のレシーブがアウトとなって勝負が決まると、ようやく笑顔がはじけた。シングルスの2番手に続く、連勝での逆転勝利に「シングルスは初対戦の相手に、かなりいい試合ができた。ダブルスでもチームワークが出せた」と安堵(あんど)した。

 初優勝を狙った今大会だったが、26日の準決勝で中国に1-2の惜敗。「昨日は悔しい思いをしたが、リオに向けてしっかり戦わないといけなかった。自分たちは勝って笑っている姿を見せたかったので、ホッとしたのが半分、うれしさ半分です」と仲間と喜びを分かち合った。

 試合開始予定は午前10時半だったが、雨により試合開始が3時間半遅れの午後2時となった。シングルス1番手の田中愛美(19=ブリヂストンスポーツアリーナ)の試合途中に、今度は雨天中断。ダブルスの試合途中には点灯試合となり、試合終了は午後7時半。勝利の立役者となった上地は「東京で3位。最後に勝つことができてよかった。今後は個人個人に戻るが、今大会の経験を次につなげていきたい」と、2大会連続出場となるリオデジャネイロ・パラリンピックに照準を定めた。

 今後は約1カ月半の海外遠征に出発する。「要注意と思っていた、タイや中国の選手と対戦できたのはいい経験。ロシアや英国の10代の選手の実力も上がっていく中で、体の小さい日本人が、どう戦えばいいのかを学べたことも、リオにつながると思う」。12年ロンドンの8強を超えるだけでなく、リオでの金メダル獲得に向けて、収穫の銅メダル獲得となった。【鎌田直秀】