松野博一文部科学相と鈴木大地スポーツ庁長官は22日、2018年冬季五輪・パラリンピックが開かれる韓国北東部の平昌で、中国と韓国のスポーツ行政を担当する閣僚と会談し、日中、日韓間でそれぞれスポーツ交流を強化していくことを確認した。中韓も担当相会談を行い、23日には3カ国の閣僚会談が開かれる。

 20年に東京五輪、22年に北京冬季五輪を控える日中韓3カ国は、一連の大会を北東アジアでの「リレー五輪」と位置づけ、運営ノウハウの共有や五輪を契機にした観光客誘致拡大に向けた協力関係を深めることで一致。世界的に問題化しているドーピング対策でも連携していく。

 中国国家体育総局の劉鵬局長(閣僚級)との会談で松野氏は、5日の中国・杭州での日中首脳会談で両国がそれぞれの五輪開催成功のため支援・交流を進めることで合意したと指摘し、今回の会談で「首脳間合意の方向性を具体的にしていきたい」と話した。

 韓国の趙允旋文化体育観光相は、北東アジアでの五輪の連続開催は「聖火の持つ精神をこの地域で実現し、示すよい機会だ」と意義を強調した。

 4人はジャンプ会場を視察し、劉氏は五輪後の施設活用について「日本は既に冬季大会を2回開いており、学ぶことができる」と話した。

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長も平昌に到着し、3カ国閣僚との夕食会で「今やアジアの時代だ」と述べた。

 3カ国のスポーツ担当相会談は、昨年11月の日中韓首脳会談で3カ国がスポーツ交流の拡大で合意したことを契機に実現した。