ジュニア世界4位の綿貫陽介(18=グローバルプロTA)が、89年谷沢秀彦の17歳に続く史上2人目の10代優勝に王手をかけた。小ノ沢新(28)に6-3、6-2で快勝。初戦の2回戦から1セットも落とさない快進撃で決勝に進出だ。「(世界では)同じ若手が活躍している。(決勝進出も)ちょっと遅かったぐらい」。

 全員がテニス選手として有名な綿貫3兄弟の末っ子だ。気がついたときには、そばにテニスがあり、兄2人に負けたくないという思いで、プレーをしてきた。しかし、「気が荒いタイプ」と本人が言うように、集中の波があるのが大きな課題だった。今年、1月にプロ転向。「少し大人になったかも」と、気性も安定し、8月の全日本ジュニア18歳以下で初優勝。9月の全米オープンジュニアでは4強に進んだ。先週の国際テニス連盟主催のジュニア最高グレード大会でも初優勝し、勢いで、今週につなげた。

 今大会後には、国内のツアー下部大会に2週連続で出場するだけに「4週連続で優勝を狙っている」とにやり。昨年優勝したダブルスでも、兄裕介と組んで決勝に進み、単複ともに2冠に王手。ダブルス準決勝では、シングルス決勝で対戦する内山靖崇に勝ち、「(明日も)勝てると思う」と自信を見せた。

 東京五輪世代の新星が、「今年(全日本の)ジュニアでタイトルを取った。(同時に)大人のタイトルを取るとおもしろいかも。優勝するつもりでやっている」と、日本一に王手をかけた。