今年最後の「みちのくプラス!!」は、2016年振り返りモノをお送りします。今年1年、ニッカン6県版には数多くの写真が掲載されてきました。これら、私たち東北総局員が撮影してきた報道写真の中から、より印象深いもの、インパクトの強いカットを厳選、ピックアップ。それをベースにして、あのときの取材、出来事を振り返ります。東北6県に根を下ろすスポーツの取材を軸に、今年は五輪イヤーでもありました。東北出身選手の活躍も顕著で、大いに盛り上がったこの1年を、再び思い出してみます。

 ◆1月29日 別件で仙台大に取材に行った久野記者が「重量挙げの新星を発見しました」と、その美しいスナッチ&ジャークに釘付けになりました。大学から競技を始めたという渡部詩乃(2年)は昨年、全日本学生新人戦Vの実績を誇る実力派アスリート。東京五輪へ、期待大です。

 ◆2月11日 田んぼアートで知られる青森県田舎館村で、日本初となる「冬の田んぼアート」が開催されました。1人の英国人アーティストが雪面を踏みしめながら、時間をかけて製作しました。田舎館村はこれで、夏冬アート「二毛作」となりました。

 ◆4月24日 昨年結婚して仙台市民になった? 澤穂希さんをようやく仙台でキャッチしました。ユアスタでの仙L-INAC神戸戦を、なでしこジャパン高倉監督と観戦しています。来年春のユアスタでは、同様に潮田玲子さんを探していることでしょう。

 ◆5月9日 bjリーグ・プレーオフ第2戦、仙台は秋田に敗れ、これがbjリーグ最終戦となってしまいました。仙台市体育館をピンクに染めた秋田ブースターが歓喜する中を、主将の志村は河内HCと悲しみの抱擁を交わしています。何とも美しく決まっている明暗の瞬間です。

 ◆5月18日 開幕1軍を果たした楽天ルーキーのオコエでしたが、4月終盤から、活躍の場を2軍に移しました。「猛練習をしている」という噂を聞きつけ、コボスタへ向かいました。手のひらを見てビックリ。いくつものマメができてボロボロの状態に。相当、振り込んでましたね。

 ◆6月9日 このニッカン6県版で最も多い写真の種類は、間違いなく「集合写真」でしょう。この写真は、創部64年目で初の優勝と都市対抗野球全国出場を決めて大喜びする、きらやか銀行の選手たちです。全員が笑顔で、これほど歓喜の度合いが強くにじみ出る絵柄は、なかなかありません。

 ◆6月19日 東北高校陸上競技大会で、女子走り高跳び表彰式での1コマです。カメラマンがどのような経緯で、このようなポーズを依頼したかは不明なのですが、何となくじわじわと面白みが込みあげてきました。

 ◆7月1日 リオ五輪バレーボール女子日本代表の佐藤あり紗が、母校古川学園で開催された壮行会に出席したときのカットです。後輩たちを見つめる表情が慈愛に満ちていて、実に美しく見えます。

 ◆7月3日、リオ五輪開幕を前に地元仙台で合宿を行った卓球の愛ちゃん。大崎八幡宮で必勝祈願をし、七夕の短冊に書いた願いは「メダルを持って帰れますように」。この無邪気な笑顔は本当に不変です!

 ◆7月14日 高校野球山形県大会・山形東-羽黒戦で、山形東の井出は158センチの小さな体でバットを投げ出し、ウエスト気味の球に食らいつき、鮮やかにスクイズ成功。その瞬間、左足だけでバランスを取り、右腕1本でボールを転がす離れ業だった。

 ◆8月22日 夏の甲子園も東北勢がいなくなり、紙面にも急に秋風が吹くころ。なんとなく、弘前市で開催されている「ファッション甲子園」を取材したところ、まさにフォトジェニックなステージに感動したものです。写真は4部門で受賞した柴田女(青森)の「モダンな花魁」。当日紙面は10段ぶち抜き、破格の扱いでした。

 ◆8月29日 仙台市内で開催されるボディービルコンテストに、仙女のプロレスラーたちも参加するという情報が入り、好奇心旺盛に現場へ。目の前には、かなり華やかな光景が広がっていました。写真はベストパフォーマンス賞を受賞した里村明衣子と岩田美香(当時)。なんともセクシーであります。

 ◆9月4日 サッカー天皇杯2回戦はJ3盛岡がJ1仙台を5-2で下す、まさにジャイアントキリング発生! 注目したいのはゴール裏の仙台サポーターが、遠目でも分かるほどの失望感に満ちている雰囲気です。強烈なサプライズでした。

 ◆9月5日 リオ五輪レスリング男子グレコローマンスタイル59キロ級で銀メダルを獲得した太田忍が地元青森・五戸町にがい旋、祝賀パレードを行った。町民全体に当たる1万5000人が参加するほどの熱狂。ありがたそうにメダルを両手で握りしめるおばあちゃんの所作が効いている、決定的瞬間です。

 ◆9月20日 秋季高校野球岩手県大会で盛岡市立を撃破し、部員10人という逆境をはねのけ初の秋4強に進出した不来方ナイン。10人の勇姿がバッチリ表現されているカットです。不来方は来年センバツの東北地区の21世紀枠に選ばれました。甲子園でも、この勇姿が見られるかも知れません。

 ◆11月7日 J2残留争いの山形に救世主が出現しました。ホームでの長崎戦、0-0で迎えた後半ロスタイムに決勝弾を決めたのは新人FW永藤。この一発で、ほぼ残留を決めました。ジャンプ&ガッツポーズ、どれもベストタイミングのショットです。