【マドリード12日=吉松忠弘】マドリード・オープンの男子シングルスで世界8位の錦織圭(27=日清食品)が、同2位のジョコビッチ(セルビア)との準々決勝を右手首の痛みで棄権した。試合前の練習でストロークは通常にこなした。しかし、その後にベンチで何度も右手をもみ、続くサーブでは数球打っただけで、練習を切り上げた。

 練習後、会見を開いた錦織は「昨日の試合の後から少し悪くなってしまった。来週(ローマ)も出たい気持ちはあるので、リスクを避けることを選んだ」。プレーは「できるが、100%ではない。治りかけと思うので、さらに悪化するのだけは避けたい」と、大事を取ったことを強調した。

 錦織は、3月のマイアミオープン準々決勝で、古傷の右手首の痛みが再発。3年連続で決勝に進んでいた4月のバルセロナオープンを、会場に入ったものの大事を取って欠場し、今大会が復帰戦だった。「以前からの痛みと同じ。炎症。かばってプレーしていると、ほかに痛みが出たり、いらいらがたまってくる。なるべく全部が治ってからプレーしたい」。

 28日には4大大会の全仏が開幕する。この結果、15日発表の最新世界ランクで9位以下に落ちるが、今は、ケガを治すことが先決。「2~3日すれば大丈夫だと思う。全仏が一番、大事な大会なので無理だけはしたくない」と話した。次週のイタリア国際(14日開幕)が開催されるローマには入るが、この数日の経過をみて出場可否を判断する。

 ◆WOWOW放送予定 マドリードから続く赤土シリーズの頂点、全仏オープン・テニス。5月28日~6月11日。連日生中継。