2016年夏季五輪の東京招致で、開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会への皇太子ご夫妻の出席要請について、宮内庁の羽毛田信吾長官は23日の定例会見で「皇室活動のありようにかかわることであり、宮内庁だけでなく、内閣全体の判断に基づく対応になる」と述べた。

 羽毛田長官は「宮内庁としての懸念や心配については前から申し上げている通りで、首相官邸にも伝えている」として、出席に慎重な姿勢をあらためて表明。その上で「皇室の方々のご活動として、政治的との議論が出る事柄を政府としてお願いすべきなのか。両殿下のお考え次第というのはおかしい。内閣としてきちんと受け止めていただきたい」と話した。

 コペンハーゲンで10月に開かれるIOC総会への皇太子ご夫妻出席は、14日に日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長と東京都、文部科学、厚生労働両省幹部らが宮内庁を訪れ正式に要請した。(共同)