国際オリンピック委員会(IOC)は13日、ベルリンで理事会を開き、2016年夏季五輪で追加する2競技をゴルフとラグビー(7人制)に絞り込んだ。IOCの方針に従って両競技とも男女種目を実施する。10月9日の総会(コペンハーゲン)での投票で正式決定するが、過半数を得て承認される見通し。

 12年ロンドン五輪の実施競技から外れた野球とソフトボールの復帰はならなかった。空手、スカッシュ、ローラースポーツ(ローラースケート)も落選した。

 最少票数の競技を振るい落としながら投票を続ける方式で、男女各12チーム(各144人)による2日間開催を示したラグビーが最初に過半数を獲得。なじみが薄かった7人制を「展開が速く、大型選手でなくても戦える。短期間で試合数をこなせる点も五輪に適している」と売り込むキャンペーンが浸透した。

 男女60人ずつで72ホールのストロークプレーで個人戦を行うゴルフは、スポンサー獲得など商業面での魅力が大きかった。男子のタイガー・ウッズ(米国)や日本で人気の石川遼、宮里藍らが出場すれば、日本にとっては大会の目玉にもなる。

 日本のメダル候補だった野球は課題のドーピング問題が解消されず、米大リーグのトップ選手の参加も確約できなかったのが響いた。北京五輪で金メダルを獲得したソフトボールは世界的な普及が依然として不十分だった。

 IOCは01年にロゲ会長が就任後、五輪活性化を目指し実施競技の本格的見直しに着手。05年総会で野球とソフトボールが存続に必要な過半数の賛成を得られず、12年ロンドン五輪から除外された。追加の2競技が決まらず、同五輪は従来より2減の26競技になるが、16年五輪は28競技に戻る公算が大きい。

 ロゲIOC会長の話

 ゴルフとラグビーの採用を次の総会に提案する。7競技を投票にかけ、最少票数の競技を振るい落としながら投票を続けた結果がこの2競技だ。総会では個別に投票し、結果は一括して公表する。野球とソフトボールについての特別な議論はなかった。

 竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長の話

 ゴルフとラグビーの選手には国民の期待を背負って頑張ってもらいたい。東京招致を目指す16年五輪でも、この2競技はコンパクトな計画に十分対処できる。野球とソフトボールは国民的で世界でも有力なスポーツだっただけに残念。(共同)