2016年夏季五輪の開催都市を決める2日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京が1回目の投票で落選の危機にあることが分かった。投票を翌日に控えた1日、複数の有力IOC委員が東京が最も劣勢との見方を示した。

 リオデジャネイロとシカゴが優位に立ち、東京とマドリードが追う展開とみられる招致争いは、過半数を獲得する都市が出るまで最少得票の都市を除外しながら投票を続ける方式で決着する。このため1回目は「同情票」が予想外の票の流れを生み、有力都市が落選する波乱を起こす不透明な要素もあるが、東京は厳しい状況にあるもようだ。

 1日夜はIOC総会の開会式がコペンハーゲンのオペラハウスで催され、シカゴ出身のミシェル・オバマ米大統領夫人、リオを強力支援するブラジルのルラ大統領、スペインのフアン・カルロス国王夫妻ら要人が顔をそろえた。東京は石原慎太郎都知事、森喜朗元首相らが出席したが、式典後のレセプションでIOC委員に囲まれたミシェル夫人らライバル都市の要人に比べ影が薄かった。

 鳩山由紀夫首相は1日深夜に到着し、2日の総会で投票前に実施する招致プレゼンテーションに参加する。東京は選手を重視した質の高い開催計画や環境問題への積極的な取り組みをアピールするプレゼンで、最後の巻き返しにかける。

 IOC委員による投票は、4都市による各45分間の招致プレゼンテーション後の午後5時10分(日本時間3日午前0時10分)に始まり、開催都市は午後6時半(同午前1時半)からロゲ会長が発表する。