<スピードスケート:全日本距離別選手権>◇初日◇30日◇長野市エムウエーブ

 スピード界に、また新星が現れた。高校生として初めて1500メートルを制した小田卓朗(18=山形中央高)は「実感がまだわかないけど、今までの人生で一番うれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 滑らかなコーナリングと豊富なスタミナで着実にラップを刻み、自己ベスト。滑り終えた時点でトップに立っても、残り6組とあって「他の選手がもっと来る」とあきらめていた。だが、土井ら五輪経験者らが振るわず、優勝が転がり込んだ。

 中学卒業と同時に地元北海道を離れ、五輪銅メダルの加藤を輩出した山形中央高にスケート留学。同校の椿監督は「初めて見たときはコーナーが下手だった。成長したと思う」と目を細める。

 得意とする1500メートルで、日本は結果を残せていない。快挙でW杯出場をたぐり寄せた18歳は「世界で戦える選手になりたい。去年は『五輪は夢だ』と思っていたけど、今は自分の努力次第」と目標を掲げた。