東日本大震災の復興支援を目的としたフィギュアスケートの慈善演技会が9日、神戸市のポートアイランドスポーツセンターで行われ、宮城・東北高出身でトリノ冬季五輪金メダルの荒川静香さんや世界選手権(25日開幕・モスクワ)に出場する高橋大輔(関西大大学院)らが華麗な演技を披露した。

 荒川さんはトリノ五輪と同じ「トゥーランドット」の曲に乗せ、得意のイナバウアーなどで観客を沸かせた。6日には仙台市の避難所を訪問しており、この日は「人の笑顔には笑顔をつくる力がある。希望が一パーセントでもある限り、進み続ける姿を見せたい」と話した。

 東北高の羽生結弦は仙台のリンクで練習中に被災し、避難所で4日間過ごしたという。「東日本も(阪神大震災で)被災した神戸のように、しっかり明るく温かい街になれればいい」と言い、大きな拍手の中で何度も深々とお辞儀した。

 慈善演技会は、兵庫県スケート連盟が1995年の阪神大震災に見舞われた経験から「復興の街、神戸から勇気を」として主催。会場では選手が募金を呼び掛け、オークションも行った。募金では977万3515円が、オークションでは295万4323円が集まった。入場料などの収益金はすべて義援金として寄付される。