「ジャパンエックスボウル」第25回アメリカンフットボール日本社会人選手権(特別協賛・大正製薬株式会社)が19日午後7時、東京ドームでキックオフされる。対戦は7度目の出場で6回目の社会人王座を狙うオービックシーガルズと、4度目の出場で悲願の初優勝を目指す富士通フロンティアーズ。同選手権では02年以来の顔合わせとなる。両チームを率いるのは、ともに知将として知られるオービック大橋誠(46)、富士通藤田智(44)の両ヘッドコーチ。攻守にタレントぞろいのオービック、思い切りのいいプレーが売りの富士通の各選手をどう操り、勝利を呼び込むか。熱戦の期待は高まるばかりだ。

 オービックは12月4日のファイナルステージでライバル鹿島に完勝した。しかし、第1Qで14点差という大きなリードにも大橋HCは「最後まで緊張感が続いた」という。「ひとつタガが違えば」という思いで、チームに攻め続けさせた。そして、「試合はチームをすごく成長させてくれる。そこまで負けずにこれたからこそ、鹿島とああいう試合ができた」と決勝までの道のりを振り返った。

 ノジマにTDを許さなかった4日の富士通の戦いぶりを見た大橋HCは「ディフェンスのすごさが出た」と警戒した。その思い切りのいいディフェンスを破るには「誰かに頼るのではなく、どれだけ全員が真剣になれるかが大切。強い気持ちが必要だ」とタガを締め直した。

 富士通が今季、チームを変えるために採用した”ノーハドルオフェンス”への対策も忘れていない。作戦陣形をとらず、いきなり攻撃に入るやり方に「守備陣が受け身にならずに、普段のディフェンスができるかがポイント」と分析した。「何が一番フィットするのかセカンドステージ以降実戦で試してきたことをやってみたい」と、自信ものぞかせた。

 「お互いに体力勝負になると思う。ディフェンスで走りきれるかにかかっている」という大橋HC。「紅白戦をノーハドルでやりますか?」の質問には、「どんな練習をしてきたかは、勝ってお話ししたい」とニヤリ。ジャパンXボウル連覇に向け視界は良好だ。