東京などと2020年夏季五輪開催に立候補していたローマは14日、財政再建を優先させるイタリア政府の支持を得られなかった。ANSA通信が伝えた。ローマは招致断念を余儀なくされ、招致は5都市の争いとなる。

 欧州債務危機の影響で、2020年夏季五輪の招致レースからローマが脱落した。10年5月に早々と立候補が決まり、当初は有力候補とみられていた。しかし、財政状況の悪化により最近ではマドリードとともに開催能力を疑問視する声が強まっていた。

 昨年11月に発足したモンティ政権は財政再建を進める一方、首相は五輪招致への態度を明確にしなかった。競泳女子のペレグリニらトップ選手や芸能人らが招致支持を呼び掛けたが、04年アテネ五輪を開催したギリシャが財政危機に陥ったことなどを考慮し、不支持を決断したとみられる。

 近年の五輪では少ない5都市の争いとなった。財政的に安定し、運営能力が高い東京は好位置につけ、5度目の挑戦のイスタンブールが強敵になりそうだ。