<スピードスケート全日本選抜>◇27日◇初日◇盛岡市・岩手県営スケート場

 男子1500メートルで石岡守(34=吉田産業)が、2分0秒60で20位と奮闘した。目標の表彰台には遠くおよばなかったが、98年長野五輪の金メダリスト清水宏保(35=コジマ)の存在を刺激に、巻き返しを誓った。また森永一帆(山形中央3年)は1分59秒10で、東北勢最高の10位だった。

 最後の直線を乗り切ると石岡は手をひざについた。「スタートからスピードが乗りませんでした。やっぱり疲れもありますね…」。97年の全日本実業団でたたき出した、当時の大会新記録(1分56秒00)にほど遠いタイム。それでも今月中旬の青森県選手権では、4種目の合計得点で12連覇を達成した。競技歴18年のベテランが、若手に負けじと熟年の滑りを見せた。

 98、99年とW杯に出場。当時の代表メンバーで、同じ北海道生まれで日大の1年先輩にあたる清水とは、今でも連絡を取り合う仲。ちょうどこの日は、その清水の35歳の誕生日だっただけに石岡は「いい結果を出して、連絡したかったですね」と悔しがった。3月1日の1000メートルにも出場する。「清水さんに負けないように、体が許す限り頑張っていきますよ」。身長164センチの小さな体をフル回転する。【由本裕貴】