女子アイスホッケー日本代表の「スマイルジャパン」が「なでしこ魂」を継承する。来年のソチ五輪を目指す冬季競技のトップ選手を集めた合同合宿は22日、2泊3日の全日程を終えた。最終日はなでしこジャパンの佐々木則夫監督(54)が躍進のプロセスを伝授。同じ団体競技のアイホ娘たちは共感し、レベルアップを誓った。

 講演の最後に2年前のW杯の映像が流れた。FW久保英恵(30)の目頭は熱くなった。当時はスティックを置いていたが、なでしこジャパンの優勝を見て「夢を追い続ければかなう」と約2年ぶりの現役復帰を決意。2年前のテレビで見たときの、あの熱い思いがよみがえった。

 なでしこジャパンは男子に比べ、圧倒的に恵まれない環境の中、結果を出し、女子サッカーのメジャー化に成功。佐々木監督から躍進のカギとして(1)ひたむき(2)しんが強い(3)明るい(4)礼儀正しいと「なでしこ4カ条」の言葉を贈られた。自主性と団結力、大柄な外国人選手に対抗するため、技術力をいかし、攻守で主導権を握る大切さも説かれた。

 アルバイトと競技を両立する選手たちは、佐々木監督の話を熱心に聞いた。久保は「今がスタートライン。もっと頑張らないと」と言えば、大沢ちほ主将(21)は「勉強になった。なでしこジャパンのように、素晴らしい結果を残して帰ってきたい」とメダル獲得で、女子アイスホッケーの知名度を上げることを決意した。【田口潤】