【サンクトペテルブルク(ロシア)29日=吉松忠弘】20年東京五輪招致プレゼンテーションに出席する猪瀬直樹都知事(66)が、真っ先に向かったのは“敵陣”だった。立候補した3都市がブースを出すスポーツアコード(国際会議)会場に到着するなり、トルコのイスタンブール陣営に直行した。

 一方で東京ブースも視察し「東京には運営能力がある。みんなを励ます能力や最先端の技術もある」。30日のプレゼンについては「東京でやると、こんなにいいことがあるということを表現したい」。

 出発時にはトラブルに見舞われた。日本時間27日の深夜1時に羽田空港を飛び立つはずの全日空機が機材トラブルで約8時間遅延。フランクフルトで、全日空が用意した約2000万円の経費が掛かるビジネスジェットに乗り換えたが、約25時間の長旅に。28日午後9時半(日本時間29午前2時半)に現地入りした。

 前夜、ホテル到着後は「血流を良くしないと」とジョギングでリフレッシュ。「おもてなしの気持ちで接したい」とライバルまで含めた関係者回りに奔走する。