来年4~5月に開催されるJA全農世界卓球の団体戦(国立代々木競技場など)の記者発表が16日、東京都内で行われた。石川佳純(20=全農)は、昨年のロンドン五輪女子団体銀メダルメンバーの福原愛、平野早矢香と会見に出席。東京での団体戦の開催は56年、83年に続いて3回目となるが、自らが大会の主役となり、71年名古屋大会以来となる女子の金メダル獲得に挑むことを誓った。

 卓球界の未来を、私が背負う!

 石川は会見後の写真撮影で、小さな米俵をひょいと持ち上げた。今季、既に世界ランキング20位以内の強豪5選手から勝利を挙げ、女子選手の代表選考基準をクリア。正式決定は12月中旬になるが、6カ月先の大舞台を見据えていた。「東京は私たちのホームになる。いつも以上の力を団体戦で出したい。みんなで力を合わせると、もっと力が出せる」と笑顔だ。

 ロンドン五輪の銀メダルが分岐点になった。日本中が歓喜に沸いた一方、世界からの注目も浴びた。今年5月の世界卓球個人戦では、3回戦で苦手とするカットマン(北朝鮮)にストレート負け。卓球王国の中国に次いで強い国としてマークされ、対策が進められていたこともあった。しかし、以前から取り組んでいた肉体改造を、さらにパワーアップ。筋力トレーニングの回数も時間も、倍に増やした。「安定感が増した。今までは飛びつけなかったボールも間に合うようになった」と自信を深めている。

 前回の雪辱も果たす。12年ドルトムント大会では、準々決勝で韓国に逆転負けを喫した。メダル獲得も5大会連続で途切れる悔しい5位に終わり「まずメダル。決勝に残ることが目標」と言い切った。東京で開催された団体戦で56年大会は銅メダル、83年大会は銀メダル。今度こそ悲願の金へ、あと1歩の大きな階段に足をかける。【保坂恭子】