国際バスケットボール連盟(FIBA)は26日、日本協会に対して、無期限の資格停止処分を決めた。この処分で、すべての世代の日本代表が国際試合への出場が停止。来夏の16年リオデジャネイロ五輪予選への出場も、現時点では不可能となった。日本協会はFIBAからトップリーグの併存解消、統治能力に欠く協会の改革などを求められたが、先月末の回答期限に解決できなかった。FIBAは問題解決へ、直接介入する考えも示した。

 五輪の挑戦権すら消滅した。日本協会の無期限の資格停止。各年代の日本代表は国際試合に出場できない。来夏にリオデジャネイロ五輪予選が迫る中、現段階では出場のチャンスすら奪われた。FIBAのバウマン事務総長は「日本協会は抜本的な改革をして、20年東京五輪では男女の代表が参加できるようにしてほしい」と話した。

 6年前からFIBAは普及・強化の観点からトップリーグの併存に反対し「1国1リーグ」を求めてきたが、日本協会の進展はなかった。業を煮やしたバウマン事務総長は昨年12月に緊急来日。東京五輪の「開催国枠」の剥奪とともに日本協会の資格停止を示唆した。今年4月にも来日し、10月末の期限を設け、トップリーグの一元化と日本協会のガバナンス(組織統治)の改善を再度要求した。

 FIBAは、トップリーグの併存だけでなく、日本協会のガバナンスそのものを問題視している。6年の間に、一向に解決策を提示できない。国際大会では赤字を垂れ流す。男女の日本代表は弱体化し、国際日程との調整もできない。バウマン事務総長は日産自動車のゴーン社長のような外部からの登用を希望したが、それもかなわなかった。

 6月に就任したばかりの深津前会長は、FIBAからの回答期限が迫った10月23日の臨時理事会で電撃辞任。都道府県協会、評議員の反発は強く、日本協会は機能不全に陥った。10月末の時点で資格停止が確定していながら、まったく問題解決のめどは立たず、混迷ばかりが深まっていた。

 今月12日には文科省が国としての介入を明言。現在、日本オリンピック委員会、日本体育協会、団体ボール競技の活性化を目指す組織の日本トップリーグ連携機構の幹部が定期的に集まって問題の対応を話し合っている。FIBAも日本協会の問題解決は不可能と判断。第三者委員会を設立し、FIBAからも人を派遣することを提案した。日本バスケット界は根本的な出直しを迫られた。

 ◆バスケットボール男子2リーグ問題

 日本協会がトップリーグとして公認するNBLと、完全プロのTKbjリーグが国内に併存する状態。かつての実業団リーグの流れをくむNBLは13チーム中5チームを企業が保有。bjリーグは不況による企業の休廃部に危機感を抱いた勢力が日本協会から独立し、05年に6チームで発足。現在は22チームに増えた。分裂時の遺恨で、日本協会は4年前までbjリーグの選手を日本代表に選出しなかった。その後は統合の機運も出てきたが、利益を追求するプロチームと、福利厚生と位置付ける企業チームの共存で着地点を見いだせていない。