<柔道:世界選手権>◇26日◇男子66キロ級◇オランダ・ロッテルダム

 昨年の北京五輪で2連覇を達成した男子66キロ級の内柴正人(旭化成)は3回戦で敗退した。

 内柴の柔道は、ついに見せられなかった。2戦目となった3回戦。開始30秒と1分すぎに抑えられ、いずれも脱出したが、流れは変えられない。相手の足を取りにいって隅返しを食らった。昨年の北京五輪で1本勝ちした相手に1本負け。内柴は「僕はセンスとか才能で戦っている選手ではなくて、心で戦える選手。今日は、心の部分が少し足りなかった」と言った。

 五輪連覇から1年。自分の気持ちをかき立てられずに苦しんだ。先月14日の旭化成の壮行会では「今年は、何かのためにチャンピオンになりたいという気持ちが足りない年。2回も五輪を取れば、なくなっちゃう」と漏らしていた。

 男子代表の篠原監督は「本来の彼の試合をして負けたら何も言わないが、全力を出し切れなかった」と指摘した。内柴は引退はしないとしたが、次の出場試合や練習再開は未定とした。