大相撲の野球賭博事件で、元大関琴光喜から口止め料名目で現金を脅し取ったなどとして、恐喝罪などに問われた元力士古市満朝被告(39)の公判が15日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、検察側は懲役6年を求刑、弁護側は全面無罪を主張して結審した。判決は10月7日。

 検察側は論告で「野球賭博をばらされたくないという弱みにつけ込んだ陰湿な犯行。計画を立案した被告が首謀者で、責任は重い」と指摘した。

 弁護側は最終弁論で「被害者の元琴光喜や共犯者らの供述調書は信用できず、立証は不十分だ」と反論。古市被告は最終意見陳述で「野球賭博で脅したことは一切ない」と述べた。

 起訴状によると、古市被告は昨年1~3月、元琴光喜から野球賭博の口止め料名目で350万円を喝取、暴力団員2人と共謀して8千万円も要求したが未遂に終わった。賭博の胴元だった元幕下からも300万円を脅し取った、としている。